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あなたと出会った場所

 色々思うところがあり、宝箱に大事なものを封じ込めることにした。鍵は僕らの思い出だ。いや、僕にとっては忘れようもない出来事だけれど、あなたにとっては日常のひとコマに過ぎないだろう。
 数年後かそれとも何十年も先か。これを見たときあなたはおそらく悩むはずだ。もしかして思い出せないかもしれない。それならそれでいい。記憶を遡り、僕との日々にすこしばかり想いをはせてくれれば。
「ねぇなんでデスクトップ自分の写真なの?」
 浸り切る僕の横で、ぼりぼりと煎餅をかじりながらあなたが言った。
「まあよく撮れてるけど。加工もキラキラしててすごいね」
 ふむふむ、と頷きながらも、カチカチとマウスを操作し、ちょっと躊躇ったように呟く。
「ポエムは隠しといた方がいいかもね」
 あ、この写真懐かしいねぇ、とのどかにデータを眺め始めるあなたの手からラップトップを奪い取る。
 よもやの瞬殺。覚えてたのかという喜びと、今じゃなーい!という焦りとポエムと壁紙はなしかー。えー。
「私は好きだけどね」
 あなたは美味しそうに緑茶を啜り、にやにやと僕を眺めている。ああ腹立つ愛しい。

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2013.11.05 | Comments(0) | Trackback(-) | 超短篇

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